ウズベキスタン旅行記 2025 外伝 – ブハラ、美食とワインの夜

Bukhara Nights – A Feast of Flavors and Uzbek Wine

ブハラのワインバーで出会った、ウズベキスタン産ブランデーのボトル

Saidkasim with a Terrace ― 朝の光に包まれるテラス朝食

ブハラの宿〈Saidkasim with a Terrace〉は、家族経営の温かなホテル。
狭い路地を抜けてたどり着く屋上テラスでは、お母さんが用意してくれた朝食が待っていた。


ザクロ、スイカ、ぶどう──どれも瑞々しく、朝の風に少し肌寒さを感じながらも、旧市街を望む朝食は格別だった。

緑茶をすすりながら、ブハラの朝の光に包まれ、静かな幸福感に満たされる。

ツーリストレストランで味わう“ウズベク定番”

夕食は観光客向けのレストランへ。

いかにも観光客向け、という構えではあったが、出てくる料理はどれも素直においしい。旅先では、こういう“わかりやすい定番”が、意外なほど記憶に残ることがある。

前菜はトマトを中心にしたアチクチュチュク。

そして牛肉のシャシリク。

さらに、シルクロードの食文化に欠かせないマントゥ。

電気バイオリンの生演奏が流れる中、ブハラらしい時間をゆったりと楽しんだ。

ブハラの夜、ワインの香りに誘われて

夕食を終えて、もう少し街を歩いてみようと思った。

ラビハウズ近くの路地を歩いていると、暖簾のかかった小さなバーが目に入った。

翌日訪れる予定のドーナツ屋の手前だ。気になって入ると、そこはウズベキスタン産ワインのテイスティングバー。

マスターに勧められるまま、8種類のワインを飲み比べるコースを選んだ。
フェルガナ、サマルカンド、ナヴォイ、タシケント近郊──産地ごとにブドウの香りと個性が違う。

ロシア語ネイティブのマスターが、ジェスチャーと笑顔を交えて説明してくれる。
軽くメモを取りながら、ワインの深みに引き込まれていった。

そして、ワインの余韻のあとに ― ブランデーという意外な誘い

8種類のテイスティングが終わるころ、マスターがにやりと笑って提案してきた。
「ウズベキスタンのブランデー、4種類あるけど試してみる?」
もちろん即答、「お願いします」。

琥珀色の液体がグラスに注がれ、芳醇な香りが立ちのぼる。アルマス、サマルカンド、フェルガナ、ナヴォイ──それぞれの産地が持つ個性を一口ずつ確かめながら、深い余韻に浸った。

ブハラでこんな体験をするとは思ってもみなかった。観光ではなく、文化の中に身を置くような、そんな夜だった。

この夜の記録として、テイスティングしたすべてのワインとブランデーのボトルを撮影した。帰国後、その写真を見返すたびに、あの静かなバーの灯りとマスターの笑顔が思い出される。

こうして、ブハラの夜は香りと笑顔に包まれて終わった。

翌朝、またブハラの光の中を歩き出す。

けれどこの夜の香りだけは、きっと長く残るだろう。


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