The Netherlands Chronicles 第1章|ナールデンへの道

The Netherlands Chronicles – Chapter 1: The Road to Naarden

ワルシャワ編に続いて、これまでオランダで見てきたものを、紀行文としてまとめてみようと思う。

ただし、今回の舞台はアムステルダムではない。向かったのは、ナールデン、そしてフラネカー。オランダを代表する観光地というよりは、仕事の縁がなければ、おそらく訪れることのなかった小さな街である。

ナールデンの城塞都市らしさを感じさせる歴史的な門

最初の目的地はナールデン。スキポール空港から車で20分ほどの場所にある、かつての城塞都市だ。

スキポール空港、アムステルダム、ナールデンの位置関係を示した地図

Map data © OpenStreetMap contributors

この街の歴史を詳しく語り始めると、それだけでひとつの記事になってしまう。ここではまず、なぜこの街を訪れることになったのか、というところから始めたい。理由はとてもシンプルで、現在取り扱っている時計ブランドのアトリエが、このナールデンにあるからだ。つまり、今回のオランダ紀行は、この小さな城塞都市から始まった。

スキポールからナールデンへ。車窓の外には、いかにもオランダらしい平坦な風景が続いていく。空は広く、地面はどこまでも低く、遠くまで見渡せる。その一方で、古い建物の多くは、日本の感覚で見ると少し不思議な角度で立っている。地震の心配がない土地だからこそ許される風景なのだろう。

やがて高速道路を降り、ナールデンの街へ向かう。風景は少しずつ変わり、道の先に、水と土塁に守られた街の気配が近づいてくる。

土塁と運河に囲まれたナールデンの入口付近

俯瞰しなければその全体像はわからないが、ナールデンは六角形の星のような形をした、かつての要塞都市である。その輪郭をいまも保ったまま、街は静かに残っている。

運河を越えてナールデンの城塞都市へ入る橋

橋を渡り、街の中へ入る。いわば、要塞都市への小さな突入である。もちろん、現在のナールデンは穏やかで美しい街なのだが、運河を越えて城塞の内側に入るというだけで、どこか特別な場所へ足を踏み入れるような感覚があった。

ナールデン旧市街の市庁舎周辺の風景

ナールデンは驚くほどコンパクトで、そして美しい街だった。今回の宿は、市庁舎のすぐ隣にある小さなブティックホテル。ここを拠点に、オランダ紀行の最初の一日が始まる。

ナールデン旧市街にあるブティックホテル周辺

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