タシケント・メトロ ― 地下に広がる美しい日常
The Most Beautiful Metro in the World – Exploring the Tashkent Underground
タシケント・メトロ ― 世界一美しいと言われる地下鉄へ
切符とセキュリティチェック
このメトロは、どこまで乗っても驚くほど安い。
2023年初訪問のときには、切符売り場(といっても窓口にはおばさん一人なのですが)で、
感熱紙に QR コードがプリントされたチケットをもらうか、
タシケント版 Suica のようなチャージ可能なカードを購入するかのどちらかでした。
これがその時買ったカードです。
そして 2024 年は、クレジットカードで「ピッ」が可能になっていて、 ずいぶん楽になりました。
自動改札を抜けると必ず手荷物検査があります。地下鉄に限らず、この国(旧ソビエト圏ではだいたいそう)では、
公共交通機関(鉄道、空港)の建物内に入るときは X 線、あるいは地下鉄のように係員による検査があります。
ここではそこまで厳しい検査を受けるわけではありません。たくさんの乗客をさばかないといけませんからね。
一昨年には、検査官が「どこから?」と聞くので「日本」と答えるとニコッとして、
何の問題もなく自動改札へ――そんなことがありました。
撮影禁止から解禁へ
ところで、このタシケント・メトロ。2018年までは一切撮影が禁止でした。
が、それが緩和されて、入口を除いた構内の撮影が解禁されました。
それで、今ではこんな美しい駅構内の写真を収めることができるのです。
前置きはこのくらいにして…。
芸術作品のような駅構内
ウズベキスタンの地下鉄は、中央アジアを代表するメトロであり、
行ったことはありませんがモスクワの地下鉄同様、駅ごとに装飾がふんだんに施されています。
途中下車を繰り返して見て回るだけでも、ちょっとした美術館巡りをしたような感覚になります。
では、大好きな駅をいくつか。
今回の宿 Mirzo Hotel の最寄り駅、オイベックから始めましょう。
アリシェール・ナヴォイ駅 ― 文学の殿堂
オイベックからウズベキスタン線に乗り、隣のアリシェール・ナヴォイで下車。
中央アジアを代表する詩人アリシェール・ナヴォイの名を冠した駅で、
ホーム全体にどこか「文学の殿堂」のような雰囲気が漂っている。
アーチ状の天井と柔らかな照明、壁面に施された装飾が調和し、 本を片手に地下で静かに時を過ごしたくなるような空間だ。
続いて次の駅、ウズベキスタンへ。
ここもまた、幾何学模様のタイルや、ソビエト時代から続くデザインが印象的な駅だ。
コスモナウトラル駅 ― 宇宙への夢
その隣が、コスモナウトラル。
宇宙関連の開発に携わってきた人を多く輩出した国らしく、ホーム全体が「宇宙」です。
ソビエトの宇宙開発時代を象徴する装飾で、青と銀のモザイクが輝き、 宇宙飛行士たちの肖像が壁面に並ぶ。
この駅を歩くと、冷戦時代の「宇宙への夢」を肌で感じることができる。
さらに列車は進み、ウズベキスタン線の終点ドストリクへ。
ここから新線に乗り換えて、強烈なローカルマーケット「ヤンギアバッド」を目指す予定でしたが、 保線修理等の理由で新線は閉鎖中。その顛末は別の外伝で。
パフタコール駅 ― 白と青のコントラスト
ウズベキスタン線はこのくらいにして、次はチランザール線。
スタートは、アリシェール・ナヴォイと接続しているパフタコールから始めましょう。
白い大理石に、青の幾何学模様が映える清涼感あふれるデザイン。
隣接するアリシェール・ナヴォイ駅とは通路でつながっており、 地下鉄アート巡りには欠かせない駅だ。
次の駅はティムール広場の最寄り駅、アミール・ティムール・ヒヨボニ。
そこから接続するユヌス・ラジャビーでユヌスバッド線に乗り換え、 3つ目のボドムゾルを目指します。
ボドムゾル駅 ― 未来を感じる駅
ボドムゾルのホームは、他の駅と違い、とても未来的でロマンあふれる作り込みです。
金属とガラスを多用した近未来的なデザインで、旧ソ連時代の駅との対比が面白い。
床や天井に反射する光が、まるで SF 映画のワンシーンのような雰囲気を生み出している。
地下に広がる美しい日常
芸術的な駅構内に目を奪われがちですが、地下鉄は市民の生活そのものです。
通勤や通学に急ぐ人、ゆったりと歩くお年寄り、買い物袋を提げた女性…。
その姿を眺めていると、タシケントの人々の暮らしが自然と見えてきます。
地下のホームに流れる、電車の到着を告げるアナウンスと人々の足音。
地上の喧騒とは少し違う、もうひとつのタシケントのリズムが、
この「世界一美しい地下鉄」の中で静かに刻まれていました。
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